不思議な話 不思議な石

前回、市川市里見公園の夜泣き石の話をしたので、今回は石にまつわる伝説を紹介します。

●小夜の中山 夜泣き石(静岡県掛川市佐夜鹿)
遠州七不思議のひとつ小夜の中山(さよのなかやま)夜泣き石は、『東海道五十三次』の「日坂」に描かれています。
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ある日の夕方、臨月の妊婦が中山山頂の久延寺での安産祈願の帰り道に、道の真ん中の丸い石にもたれて休んでいたところ、突然賊に襲われお腹を刀で切られて息絶えた。
幸い刀の先が石に当たったため、赤ん坊は無傷でお腹の切り口から地面に転がり出た。
そのとき、子を想う母の魂が石にのり移り、助けを求めるために石が泣きはじめた。
しばらくすると、久延寺の住職がその泣き声に気づき、山を下りてみると、石のそばで妊婦と虫の息の赤ん坊を見つけた。
住職は、赤ん坊をお寺に連れて帰りましたが、お乳がないので代わりに水飴を作り、赤ん坊を育て上げたという伝説が残されています。

その水飴ゆかりの峠の名物が「子育飴」です。
私が小学生のころ、家族で静岡市丸子にある『元祖 丁子屋』まで、とろろ汁を食べに出かけたとき、帰り道の途中で必ずこの子育飴をお土産に持ち帰りました。

●幽霊子育飴(京都市東山区松原通東大路西入)
石の伝説ではありませんが、子育飴つながりで紹介します。
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慶長4年(1599年)京都の江村氏妻を墓地に土葬したあと、数日後に土中から子供の泣き声が聞こえてきた。
墓を掘り返すと、棺桶の中から死後の婦人が産んだ子供が見つかった。
その話を聞いたある飴屋の主人が思い返すに、夜な夜なお店に飴を買いに来るひとりの婦人がいたが、その子供が見つかってからは、ぱたりと来なくなったといいます。
その婦人が我が子を育てるために、幽霊となって飴屋に通っていたのだと伝えられています。

●岩上神社 禿童石(京都市上京区上立売通浄福寺東入)
「岩神さん」と呼ばれて人々に親しまれている2メートル近い巨石です。
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この石は、二条城の南、二条堀川あたりにあったものを内裏の築山に引こうとしたら吠えたとか、小僧に化けて神泉苑で怪をなしたと伝えられています。
子供に化けたこともあり禿童石(かぶろいし)とも呼ばれています。

●元興寺 かえる石(奈良県奈良市中院町)
その昔、大阪城にあった蛙石は、もとは河内の川べりにあった殺生石で、後に豊臣秀吉が気に入り大阪城に運び込まれたものです。
淀君の霊がこもっていると伝えられています。
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大阪城落城後に、この蛙石の上から堀に身を投げる人々が続いたり、堀に入水した者は必ずこの石の下に流れ着いたといいます。
その後、縁あって元興寺に移され現在に至ります。

●那須湯本 殺生石(栃木県那須郡那須町)
殺生石といえば、那須湯本の石が有名です。

昔、中国や印度で美しい女性に化けて悪行を重ねていた白面金毛九尾の狐が、平安時代の日本に渡来した。
九尾の狐は「玉藻の前」と名乗って朝廷に仕え、日本国を亡ぼそうとしていた。
しかし、時の陰陽師・安倍泰成に正体を見破られると、九尾の狐は那須野ヶ原まで逃げてきた。
ここでも九尾の狐は悪さを繰り返していたので、朝廷は弓の名手の三浦介義純と上総介広常の両名に命じ遂に九尾の狐を退治した。
すると、九尾の狐の姿は毒石になり毒気を放ち始め、近づく人や獣を殺し続けたので、これを殺生石と呼んで人々が近寄ることを禁じていた。

時を経てこれを伝え聞いた泉溪寺の源翁和尚が、毒石に向かって大乗経をあげ続けると、
一筋の白煙とともに玉藻の前の姿が現れ、石は三つに割れて飛び散り、そのひとつが残りました(至徳2年(1385年)8月13日)。
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殺生石(史跡標柱の左上に見える石)

●要石(千葉県香取市 香取神宮、茨城県鹿嶋市 鹿島神宮)
いにしえの昔、香取ヶ浦付近では、地震が頻発し人々はとても恐れていた。
これは、地中に大きな鯰(なまず)が住みつき、荒れ騒いでいると言われていた。
香取・鹿島の二柱の大神たちは、地中に深く石棒をさし込み、大鯰の頭と尾を押さえ地震を鎮めたと伝わっています。

この石は、香取は凸形、鹿島は凹形で地上に一部だけを現しています。
貞享元年(1684年)3月に、徳川光圀公が参拝のおり、これを七日七晩掘らせたが根元を見ることができなかったといいます。
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香取神宮要石
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鹿島神宮要石

参考:小泉屋『小夜の中山 夜泣き石』http://koizumiya.com/
みなとや幽霊子育飴本舗「幽霊子育飴」由来書
「岩上神社(岩神祠)」駒札
元興寺「かえる石(大阪城の蛙石)」由来立札
那須町「殺生石の由来」板
香取神宮、鹿島神宮「要石」由来立札

【記事更新】
2013/02/24 8:15
那須湯本 殺生石追加

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この記事へのコメント

みすず
2013年02月25日 07:01
幽霊子育飴は知っていました。あとは知りませんでした。石だけでもいろいろ言い伝えありますね。石っていいですよね。宇宙から見たら「星のかけら」ですからね。鹿島、那須行きたいです。
バショウカジキ
2013年02月25日 07:06
不思議な話が日本各地にあるんですね。石がキーワードでたくさんありますね。
ぎょろちゃん
2013年02月25日 22:00
多くの伝説が日本各地で語り継がれていますが、カテゴリ(キーワード)別に分けてみると、似たような話やその土地独特の変わった話などに気づくことがあります。
それが、伝説の楽しみ方のひとつだと思います。

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